※賛否の分かれる内容と思いますので、ご自身の価値観に合わせてお読みください。
2020年に公立小学校の1年生に進学した息子がいるのですが、小学校生活も半年以上が過ぎ、我が家の教育方針と学校の教育方針との違いに驚く経験を何度かしてきました。
今日は、学校との価値観の違いを一番感じている「漢字のテスト採点厳しすぎ問題」について、自分なりに考察してみたいと思います。
我が家の漢字に対する方針
まだ鉛筆の持ち方も未熟な小学校低学年では特に「漢字の読み書き」に対しては「好奇心を持ち学ぶ」環境を一番重視しています。
漢字は第三者が見て認識可能なものに関してはハナマルをつけますし、「自己肯定感」を高める声掛けを意識しています。
小1の息子が漢字テストを持って帰ってきた
ある日の昼下がり、息子は少し肩を落として小学校から帰ってきました。
それは『先生に提出していた宿題の漢字テスト(丸つけは親の仕事)が返却され、私が書いた100点を消されて漢字の直しがあった。。』という理由でした。

その文字がこの「立」という漢字です。

ハナマル100点でニコニコマークまで書いていた親(私)の採点は、無残にも斜線で訂正されています。
ここで内なる声を一言・・・
「え。。先生、なにも点数まで消さなくても・・・泣」

他にも、こちらの「右」という漢字。

「ノ」の部分と「口」の部分が離れているとのことで✖。

こちらの「大」という字は、最後の”はらい”の開始位置が気になられた様子。
「え。。厳しい・・・」
私自身は、その字と認識でき読めるものは全てハナマル満点だと思っているので、この厳しい採点にはとても驚きました。
調べてみると、同じ思いを抱いているお子さんや親御さんは意外に多いということに気づきました。
これは厳しいw 漢字嫌いになりそうw pic.twitter.com/WEUJHrMfQB
— クスッとにやけるつぶやき_bot (@niyakeruze) December 12, 2020
一昨日娘が必死こいて漢字を勉強して、帰ってきた答案!
賛否両論あるだろうけど、これで×にされたのは?だ?
最近の先生は厳しいのか?先生によるのか?
娘の自己肯定感を高めたい私的には、ここは○であってほしい!
いろんな意見があるだろうけど、私は努力を絶大に褒めてあげるよ娘よ#漢字テスト pic.twitter.com/1B1Og8hmvj— 目と脳のトレーニング教室あいのて (@ainote938) December 11, 2020
なぜ「厳しい」のか
「なぜこんなに厳しいの?」
疑問に思った私は、国が出している教育方針について調べました。
すると、なんと!
文化庁の公式見解としては「漢字の採点はゆるやかであるべき」と平成28年に各都道府県の教育委員会へ通達を出していることが判明しました。
文化庁の見解「ゆるやかな採点が望ましい」
文化庁がまとめている資料では・・・
小学校での細かすぎる漢字の採点について「ゆるやかな採点が望ましい」と明示されているではありませんか。
▼文化庁から発表されている資料
その中の、ごく一部を抜粋してみたいと思います。
文字の細部に必要以上の注意が向けられ,本来であれば問題にならない違いによって,漢字の正誤が決められる傾向が生じている。
出典:https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/pdf/2016022902.pdf
昨今の漢字の採点への厳しさを危惧していると書いてありますね。
字の細部に違いがあっても,その漢字の骨組みが同じであれば,誤っているとはみなされない。
出典:https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/pdf/2016022902.pdf
また、漢字の骨組みが同じでその字と認識できるものは誤りではないとも明記しています。
例えば、今回息子が細かい指摘をされて返却された「右」という漢字について、文化庁は以下のように指摘しています。
出典:https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/pdf/2016022902.pdf
「ノ」と「口」接触の有無は正誤の判断基準になりません!!!
先生~見てますか~!正誤の判断基準にならないそうですよ~!
(先生がいちいち細かい字形の指摘でせめてくるので、負けじと応戦するスタイルw)
それじゃあ、いつも息子は誰の・何のための指導を受けているの・・・か?
先生達の見解「あえて厳しく指導している」
文化庁の指示では”ゆるやかな指導”が求められているのに、それではなぜ先生たちはここまで細かい指導を徹底しているのでしょうか・・・?
そんな先生達の漢字指導に対する意識を調査した興味深い動画を発見しました。
優秀な高校生がまとめた、すごく面白い視点からの動画ですね。
先生方の言い分としては
- 文化庁の漢字に対する方針は知らなかった
- 高校入試の採点が厳しい(?)から仕方ない
- ゆるやかな採点基準を現場任せにされたら困る
- ゆるやかさを許容し続けると漢字文化が崩壊する
こんな感じのことを一様におっしゃっていますね。
こちらの動画が作られたのが平成26年であるため、まだ先に紹介した”常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)について”が発表される前であることから、
現在は先生方の意識に変化があってしかるべきと思いますが、話はそう簡単ではないんですね。。
どんな問題点があり「厳しい」のか
現場の先生に文化庁の指針は届いていない
届いたとしても受験至上主義な限り変わらない
現場の先生の判断だけに任せるのは酷かも・・・
私立中学ではテスト後に先生に✖の異議申し立てが気軽にできた
先生の意見が絶対ってなんでわかるの?という視点。
私自身は、中学受験をして進学校に進んだ。
そこではテスト返却後には毎回、先生に「自分のテストの回答は合っている」と主張する生徒が長蛇の列を作っていた。それが当たり前の光景だった。
先生だって間違うことあるでしょ。と生徒は思っているし、先生自身も生徒の意見が正しいこともあると考えていたからこそ。
そして、たとえそれで先生に鬱陶しがられても生徒には何のデメリットもなかったから。
小学校の「厳しすぎる」漢字に対する我が家の対応
担任に異議申し立てはしない
その代わり、息子には厳しい理由(漢字はもともと自由な世界ということも)をちゃんと説明した。
厳しすぎると判断した採点は親がフォロー
中学は私立も視野に検討中
基本的にこういうくだらないことでヤキモキしたり、失望したり、正直無駄な時間だと思っている(※個人的な見解です)ので、
公立中学への進学はなしかなぁ・・・と漠然と考え始めました。
ただし自分が中学受験を経験して、そこにはまた別の問題もあると思っているので、今後の息子たちの教育環境についてはまだまだ熟考が必要だと思っています。。
=2020年12月23日追記=
↑色々調べていくうちに、こういうプロジェクトもあるのか~と勉強になります。。
徒然な感じになってしまいましたが、変わろうとする力さえあれば未来は明るいですよね。これからの公教育へも期待していきたいと思います。