「マイホームを購入するか否か」結婚や出産を経験した方なら特に、一度は考えたことがあるテーマではないでしょうか?生活する限り、絶対に必要な『住居費』しかも月に10万円単位で掛かっている費用です。マイホームを購入するか、一生賃貸で過ごすのか?”えいっ!”と勢いや、”だって欲しいんだもん”と願望だけで決めるのではなく、今一度どちらにメリットの軍配が上がるのか、一緒に考えてみましょう。
かくいう我が家も、私はマイホームが欲しい派・主人が一生賃貸派です。
今回は31歳夫・30歳妻・子供二人の4人家族、世帯年収500万円程度の家庭が頭金0で3,000万のマンションを購入するという前提でメリット・デメリットについて考えていきます。
世帯年収500万円では「マイホーム」と「賃貸」どちらがお得か
マイホーム購入に必要な費用とその内訳
生涯コスト比較

一生賃貸住まいでかかるお金
我が家は、現在関東近郊の駅近マンション月10万円の物件に住んでいます。更新料は2年ごとに家賃ひと月分の10万円が必要となります。長生きしたいので、90歳まで生きる前提で今後の住居費を試算してみましょう。
10万×12か月×60年+10万(更新料)×30回 = 7,500万
えっっっっ!このままこのマンションに一生住むとこんなに払うの!!!???
マイホーム購入にかかるお金
初期費用 ※基本的にローンに組み込めない費用(現金で用意しておく必要あり)
- 印紙税(家を買う契約をするときにかかるお金)
- 保証料、融資手数料、団体信用生命、保険料(ローンを借りるときにかかるお金)
- 登録免許税、司法書士への手数料(登記にかかるお金)
- 火災保険料、地震保険料(地震保険は任意)
- 不動産取得税(買ったときにかかる税金)
- 修繕積立基金、仲介手数料、固定資産税などの精算費用
頭金を除く初期費用の目安は新築一戸建てや中古なら販売価格の6~8%
新築マンションは3~5%が目安と言われています。
頭金0で3,000万のマンションが買いたい我が家の初期費用の目安は240万円!
ちなみに、仲介会社を挟んで購入する場合、仲介手数料が初期費用の多くを占め、100万以上するのが普通です。。(驚愕)その点、新築一戸建てを購入する場合で売り主から直接買う場合は、仲介手数料が掛からないので、その分の費用は安くて済みます。
また、住宅ローンを組む銀行によっては保証料が0だったりもするので、ローンを組む際は、金利だけでなく初期費用のことも考える必要がありそうですね。
家具・家電
今住んでいる家から持ち込む家具や家電もあると思うが、せっかくのマイホーム、新しい家具や家電を揃えたい気持ちが湧くのは当然ですよね。また、カーテン等、必要に迫られて買うものも含まれるでしょう。これら必要な家具・家電を揃えるのに、約120万円平均して掛かるようです。
⇒ここまでに既に初期費用として360万円以上キャッシュが必要になっています。
頭金0といっても、手持ちの貯金が無くても買えるという訳ではないようです。
ローン
頭金0で3,000万の家が買いたい場合、35年固定金利(1.5%と仮定)で、月々の支払は9.2万円という試算となりました。
ローン完済までの合計支払金額:9.2万×12か月×35年 = 3,864万
なんてことだ!今の賃貸マンションに支払う金額の半分ではないか!!!これは、やはりマイホームを持つべき!?
維持費
管理費・修繕積立費 3万円×12か月×60年 = 2,160万
なぬ!?マンションの意外な落とし穴、管理費・修繕積立費も積もり積もるとすごい金額。。
リフォーム費用
60年住むと仮定すれば、必ず必要になってくるのがリフォーム費用です。これは、共有部分の修繕積立金とはもちろん別で貯めておく必要があります。賃貸では交換する必要がないエアコンや給湯器も、マイホームの場合は自身での交換となりますので、年間10万円必要と仮定しましょう。
10万×12か月×60年 = 720万
固定資産税
3,000万のマンションであれば、約12万年間でかかると仮定して
年間12万×60年 = 720万
マンション購入に伴う、上記必要住居費の合計を計算したところ・・・
今後60年住む前提で『マイホーム必要費用合計』 = 7,824万!!
という結果になりました!僅差でマンション購入の方がコスト高という結果になりましたね。(実際には、持ち家に対する税制優遇や補助金などもありますので、あくませおおよその推定です)しかし、ローン返済後は自身の資産となりますので、売却や賃貸(築60年なので非現実的?)も考慮にいれると、なんとも難しい選択なのは変わらず。。それに、どちらの選択をしたとしても、60年も同じ所に住む保証はありませんし、そもそもその年齢まで生きていられるかも分かりませんので、あくまで60年住むという前提で『コスト』だけ考えると、
我が家の場合は僅差で『賃貸』に軍配が挙がったということになります。
資産比較

これは、言わずもがな、賃貸住宅には資産価値はありませんので、いくら家賃を払っても自分のものになることはありません。一方で、マンションでも戸建てでも、持ち家は資産としてカウントされます。ですので、この勝負は『マイホーム購入』に軍配が挙がることになります。ただし、この『資産』という言葉には注意が必要です。これは、あくまでローン完済後の話です。基本的に、資産とは『持っているだけでお金を生み出すもの』負債とは『持っているだけでお金が出ていくもの』と定義付けられています。ですので、ローン完済まではマイホームとは、資産ではなく負債なのです。
マイホームを持つときに必要なことは、
- 無理のないローンで必ず完済できるよう支払金額を設定する
- 数十年後も土地の不動産価値が下がらない場所を購入する
ということになります。
例えば、西麻布に20坪の狭小地に一戸建てを建てるとします。20年もすれば、建物の価値は半分以下になっていますが、土地の価格が劇的に下がることは考えにくいのです。都心の再開発等の対象土地となれば、それこそ、土地に何倍もの値が付くことだって考えられるのです。一方で、山の中に200坪の広大な一戸建てを建てた20年後、建物の価値は半分になり、土地もタダ同然。そもそも買い手が付くかも分かりません。
上記条件を比べれば、資産価値を考えた時にどちらの家を買うべきかは明白でしょう。しかし、この資産価値だけでマイホームを選ぶ人は実は少数派なんですよね。皆さんがマイホームを購入するにあたって、心から大切にしている基準。それが『ライフスタイル』に合わせた生き方ができるかどうか?ということなんです。
『ご自身のこれからの生き方』『ライフスタイルに合った暮らし方』をしっかり考える。マイホームを購入する前に家族と相談しながら必ず考えておきたいですね。私も、相変わらず『子育て』の観点からマイホームが欲しい派なのですが、もう少し勉強しながら、賃貸派の主人と相談しながら、これからの人生を考えていきたいと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は純粋に、賃貸とマイホーム購入の『お金事情』に関して比較をしてみましたが、購入を迷う気持ちは、何もお金の問題だけではないということが分かりました。